労働問題相談窓口

相談内容とユニオンからの回答は公開されます。個人名や会社名を伏せて相談ができます。
(特定される情報や不適切な内容を含む場合は事務局にて伏せ字にした上で公開させていただきますが、内容によっては公開されないこともあります。)

名前(必須)
題名(任意)
内容(必須)

わーぷあ2016年10月24日(月) 23:28
障害者雇用促進法にある、労働能力の適正な評価や、障害者を理由とした労働条件の不当な差別等の記述について詳しく教えていただきたいです。

現在、精神障害3級の手帳を持っていて、都内の企業の、障害者を多く集めた部署で働いています。内定時に提示されたお給料が総支給でも生活保護の最低生活費と大差なく不満でしたが、前職の際は副業もしていましたので、今回もそうしようと思い内定を承諾しました。入社後に知った就業規則で副業禁止と知りましたが、試用期間後に再度条件について確認の場を設けると会社からもらった冊子に書いてあり、そのような場で調整していただけるならと、前向きに働いていました。

部署には知的障害の方もいるので業務レベルは多岐にわたりますが、比較的個人レベルにあったものを任せていただいていると思います。また、同じ部署のメンバーへのフォローや作業方法の改善といったことにも取り組んできました。とくに悪い評価を受ける要因は思い浮かびません。

3か月の試用期間を終えて契約更新の話をいただいた際、自分が期待していた条件確認の場はなく、契約更新の紙が渡されただけで、お給料は最低賃金が上がった分という1600円程しか上がりませんでした。

なぜ条件確認の場がないのか。
私は試用期間中だから生活保護並みのお給料日なのだと勘違いしていたのですが、試用期間後もこのお給料ならどのような給与体系で、それは私が障害者だからなのか。
最低賃金分上がったといっても、最低賃金は25円上がってるので月160時間の勤務なら4000円上がってないとおかしいのではないか、どういった算出をしているのか
等、不満があります。

職歴のこともありますし自己都合での退職はしないつもりですが、現状では生活保護並み、控除を考えると生活保護を受けたほうがマシなお給料です。更には副業禁止で、低収入から抜け出せない状態を強いられているような気がしてなりません。この不満を会社に伝え、納得がいかない場合労働紛争等での解決も効力しています。

そこで質問なのですが、障害者雇用促進法での不当な差別とは、どの程度のことをいうのでしょうか。私の場合の、試用期間後の条件確認の場がなかったことが障害者だからだとしたら不当な差別になりますか。
業務に私の障害特性が問題になることはなかったので、この低賃金は不当だと感じています。このことについて労働紛争で理由を開示してもらったり、評価を改めてもらうことは可能でしょうか。
最後に、賃貸差別とはどの程度のものをいうのでしょうか。一般雇用の方とどのくらい差があったら差別になる、というものなのか、差がある時点でアウトなのか、気になります。

長々しく書いてしまいましたが、ご返答いただけましたらとても助かります。
よろしくお願いいたします。

ユニオン事務局Re:労働能力の適正な評価や、障害者を理由とした労働条件の不当な差別等の記述について2016年10月25日(火) 12:47
障害者雇用促進法は、「障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等のための措置、職業リハビリテーションの措置等を通じて、障害者の職業の安定を図る」ために作られた法律です。強制力を持つ法律で、事業主に対し、障害者雇用率に相当する人数の障害者の雇用を義務づけるとともに、障害者雇用に伴う事業主の経済的負担の調整を図ることと、障害者を雇い入れるための施設の設置や介助者の配置等に助成金を支給することが柱になっている法律です。
つまり、会社に対して障害者を雇うよう義務付け、その費用負担については助成金などで助成するという法律です。

この法律に、「差別禁止」が盛り込まれた改正法は、平成28年4月から効力を持ちました。
改正障害者雇用促進法の概要については厚生労働省が解説しています。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000121387.pdf
ここには、「障害者であることを理由として、賃金を引き下げること、低い賃金を設定すること、昇給をさせないことを禁止する」とはっきり明記しています。
つまり「障害者だから」低い給料にすることは今年の4月から法律で禁止されました。

ところが、「障害者である労働者から苦情の申出を受けたときは、その自主的な解決を図るよう努める」とも書かれています。法律に基づいて正当な要求をすることや、改善を申し出ることが、(苦情)と表現されています。
会社が法律で禁止されている行為を行っているから、抗議したり改善を申し入れたりするはずです。その行為を(苦情)と呼ぶのが現在の認識です。さらに、その紛争は自主的に解決するよう努力しなさいとだけ決められています。

ご質問の「不当な差別とは、どの程度のことをいうのか」については、厳密にいうと、どの程度がアウトかはまだ決まっていません。その理由は、差別や不当な扱いを禁止したのが今年の4月からですから、判例や法理が確立していないからです。これは、裁判所で何度も争われて、一般的な判断の枠組みが繰り返されて定着していないということです。

ソーシャルハートフルユニオンでは、これまで100社以上の会社と話し合い(団体交渉)を行ってきました。話し合いのなかで多くの会社が、結果的に障害者差別をしていたと認め、改善に向けた努力を始めます。
実は、障害者差別を認めた会社の多くは「言われてみれば、確かにそうだった」と気づき、急いで改善しようとするのです。
これまで特に問題がなかったから慣習でそうしていた。
そもそも知識も理解も不足していた。そんなことに原因があるケースがほとんどです。
つまり、「これはおかしいのではないか」という障害者の声や不満を会社に届けなければ、いつまでも会社は気づかないともいえます。

給料について、どういった算出をしているのか。障害者だから低賃金なのではないか。
そのような不満を会社に伝え、納得いく回答がなければ労働紛争等で解決する。これは、労働者に認められた当然の権利です。話し合いを避けたり、解雇してきたりする悪質な対応であれば、ユニオンの力を利用してください。

賃金格差の程度については、非正規労働者と正規労働者の待遇格差や同一労働同一賃金についての議論が始まったばかりなので、現在は線引きが難しい状況です。
最低賃金については、実質的に最低賃金を下回っていなければセーフという判断がされます。仮に下回っていれば、最低賃金法違反、それが障害者に対してならば障害者虐待防止法で禁止された経済的虐待に該当する重罪ですから、ほとんどの会社はクリアしているはずです。

障害者を安く雇って儲けよう。助成金など受けられるだけ受け取って、世間には立派な会社だとアピールしている、そんな会社はごくごく少数です。
しかし、はたらく障害者の側でも会社が受ける助成金などについて知っておいたほうがいいことも事実です。
例えば、多くの会社が利用する特定求職者雇用開発助成金(特開金)は、障害者などの就職が難しい人を継続して雇い入れる会社に対して助成されるお金です。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000120461.pdf
会社がこの助成金を受けるには、「雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること」と規定されています。これは対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であることとされています。
簡単にいうと、定年まで雇うつもりである、最低でも2年以上は間違いなく雇うということです。それが甘い見通しや助成金目当てであれば、詐取を疑われます。
会社に言われるがまま特開金の申請書面にサインしたという人は多いのですが、この申請をするということは「会社は定年まで雇うつもりだ」ということです。「それなのに、この対応はないだろう」というケースなら問題がある会社ともいえます。

また、試用期間を終えたときの条件確認についてですが、会社が提示する条件で引き続き就労するかの意思(確認)の場であったと思われます。
一般的に、条件(交渉)する場は、春闘と呼ばれるような多数の労働者対会社という場面が多くなります。評価や査定については会社に権利がありますので個別の交渉は難しいのが現実です。
しかし、募集内容や面談での話と、提示した条件が違っていた場合には、職業安定法や労働契約法などの別の法律でルールが決められていますから、それらが守られていたかは問われます。

もっとも大切なのは、自分自身が「その会社で長くはたらき続けたいか」ということです。
給料はもちろんですが、仕事内容や通勤距離、会社の雰囲気や自分のスキルアップなど様々な条件から検討すべきです。そして、長くはたらきたい、そのために自分は今後も努力を惜しまない、だから給料を上げてほしいと堂々と主張することがポイントになります。
特に、精神障害者雇用に慣れた会社はありませんから、多少の不手際は許すくらいの心構えで、不満を伝えながら手探りで妥協点を見つけだしていくことが現実的な解決法です。

わーぷあ相談させていただいた件について2016年10月25日(火) 22:00
【返信不要です】

質問についてご回答いただき、ありがとうございました。今更質問内容に誤字等発見してしまい、お恥ずかしい限りです。
ご回答、とても参考になりました。

指摘のあった『苦情』という表現について、いわれてみれば確かに、と思いました。労働者からの『苦情』を受けて会社側が動くのであればクレーム対応と同じような認識で、通常の雇用関係とは若干違うように感じられます。
障害者の労働環境を整える取組みは必要なことですが、そこに福祉的配慮が過剰になりすぎても問題で、使用者と労働者という関係が、労働環境提供者と労働環境利用者、みたいな関係になってしまうのかもしれませんね。ただ単に、障害についての配慮がない場で働いている方の意見を『苦情』と括るのであれば、ただの暴言ですけれども。

同じ部署の同僚は両親と同居している方やグループホームから通われてる方が多いので、収入について重きを置かれてないように思うのですが、私は一人暮らしで、経済的な自立が必要不可欠なので、強くこだわりたいです。
評価を開示されて、低賃金の理由が自分の能力不足のためなどであれば納得しないといけないと分かるのですが、理由もなくこのお給料に納得しろといわれると難しいです。
思い込みだと思われるかもしれませんが、『親と同居してたり、障害年金などの援助があるから給料は少なくてもいいだろう』という考えの元で、自分の努力や能力も関係なしに、一律に賃金を決められている気がして、とても腹が立ちます。

ただ今回のお話で、契約更新に対する自分の認識が甘かったように感じました。なので自分の希望する程度の昇給や賃金見直しが難しいようならば、せめてWワークの許可だけでも認めてもらおうと思います。

前回質問させていただいたような不満を上司に伝えたところ、納得のいく返答は得られませんでしたが、給与体系等を把握している人事の方と話をする機会をつくってくれるとのことでしたので、そのときに詳しく聞こうと思います。
もし納得ができない場合には、今度は直接ご相談させていただきたいな、と思いますので、その際はお世話になるかもしれません。


お話にあった様々な条件を検討しつつ、会社側が私の意見についてどのような反応をするのかも伺いながら判断してみたいと思います。

重ね重ねになりますが、ご回答くださり、有り難うございました。





ユニオン事務局2016年10月26日(水) 13:19
わーぷあ様

相談窓口への投稿ありがとうございました。
「話し合いをしても納得できない」「うまく言いくるめられてしまった」そのように感じた時は、いつでも相談してください。蛇足ですが、話し合いの場で会社が不誠実な対応に終始して物別れに終わりそうなときに「ソーシャルハートフルユニオンへの加入を検討している」と伝えることで効果がある場合があるようです。

回答のなかで、はたらく障害者の側も会社が受け取る助成金について知っておいたほうがいいと書きましたので、主な助成金についてQ&Aページに掲載しました。

Q&Aページ:「障害者雇用の助成金にはどのようなものがありますか?」
http://sh-union.or.jp/qa/

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12  全 107件(未掲載 0件)
CGI-design