【ドクさんと両陛下、平和への願い ハノイで対面へ】

2017年2月28日
朝日新聞

天皇、皇后両陛下は28日午前、初訪問となるベトナムに向かう。3月2日夜には、首都ハノイでの大使夫妻主催のレセプションで「結合双生児」として生まれ、日本で治療を受けたこともあるグエン・ドクさん(36)と対面することになった。ドクさんは「とても光栄な、人生で最も誇らしい出来事です」と話す。

ドクさんはベトナム戦争で米軍が散布した枯れ葉剤の影響で、体がくっついた状態で生まれた兄弟「ベトちゃん・ドクちゃん」の弟の方。1986年に日本で治療を受け、88年に両国の医師が協力してベトナムで分離手術に成功した。兄のベトさんは2007年に亡くなったが、ドクさんは結婚して2児の父となり、ベトナムで暮らしている。

両陛下との対面が決まり、「あまりに光栄で身が震えてしまいました」。
元宮内庁幹部は「枯れ葉剤の問題が風化しつつあるなか、両陛下は平和を願って活動するドクさんを直接ねぎらいたいお気持ちでは」と推察する。

出典元:朝日新聞