【75歳以上人口、子ども上回る 15年国勢調査確定値】

2016年10月27日
日本経済新聞

総務省は26日、2015年国勢調査の確定値を公表した。外国人を含む総人口は15年10月1日時点で1億2709万4745人となり10年の前回調査から約96万人減少。国勢調査としては1920年の調査開始以来、初めて減少に転じた。75歳以上の人口は1612万人と総人口の「8人に1人」を占め、初めて14歳以下の子ども(1588万人)を上回った。

前回10年調査で初の減少に転じた日本人に限った人口は1億2428万人と107万人減少した。出生数が死亡数を下回る自然減が原因だ。一方、外国人労働者の増加などで日本に在住する外国人は10万人増の175万人と過去最高を更新した。総人口のうち男性は6184万1738人、女性は6525万3007人だった。

総人口の世界順位は10位で5年前と変わらなかったが、11位のメキシコとほぼ並んだ。10年から15年までに人口が減ったのは上位20カ国で日本だけだった。

75歳以上の人口は85年時点では471万人だったが、30年間で3.4倍に増加。同期間で14歳以下は4割減っており、少子高齢化に歯止めがかかっていない。14歳以下の人口割合は12.6%。日本と同様に少子高齢化が問題化しているイタリア(13.7%)やドイツ(12.9%)を下回り、世界最低の水準まで低下している。

世帯数はひとり暮らしの増加で5344万世帯と過去最高を更新した。単独世帯は34.6%を占め、男性では25~29歳、女性では80~84歳が最も多い。男女65歳以上の6人に1人がひとり暮らしで、高齢世帯の孤独死など社会問題の一因になっている。

一方、少子化の原因の一つになっている未婚率は上昇が一服しつつある。全体の未婚率は27.3%と5年前と比べて0.2ポイント低下した。なかでも30代男性は戦後まもない50年代の6%前後から一貫して上昇していたが、15年は38.9%と戦後初めて1ポイント低下した。雇用環境の改善が寄与しているとの指摘がある。

【ご参考】総務省統計局「平成27年国勢調査結果」

【ご参考】総務省統計局「平成22年国勢調査最終報告書」

【ご参考】総務省統計局「労働力調査(基本集計)平成26年度(2014年度)平均」(PDF:20KB)

ユニオンからコメント

2015年国勢調査の確定値が公表され、国勢調査の開始以来、初めて日本の総人口が減少に転じたというニュースです。日本人人口は2010年に行われた前回調査に続いて2回連続で減少していますから、日本は本格的な人口減少・少子高齢時代に突入したといっていいでしょう。

65歳以上の人口で見てみると、3346万5千人(26.6%)になり、総人口の4人に1人を占め、この割合も過去最高を記録しました。
2015年国勢調査については、総務省が今年の6月29日に速報値を公表しています。
速報からは、はたらいている人全体に占める(女性と65歳以上の高齢者の割合)が初めて5割を超えたことが分かりました。さらに、労働力人口は6075万人と、前回調査と比べ295万人減少して、6千万人を下回る可能性が高くなりました。そして、労働力人口が減少しつつあるなか、非正規ではたらく人の割合は増加傾向になっています。平成26年度労働力調査結果では、労働者全体のおよそ40%が非正規労働者でした。

労働力人口が減少して就業者数が減少すれば、その2%の枠で採用されるケースが多い障害者雇用数も当然減少することになります。また、正規雇用に比べて処遇条件が低い非正規雇用が増えると、障害者雇用の処遇条件も低くなると考えるのが現実的です。
さらに、2018年から精神障害者雇用が義務化されますから、就労希望者は増加傾向、就職先は減少傾向ということも考えられます。障害者が希望に見合う条件で就職することは、ますます狭き門になると想像できます。

資格取得などのスキルアップはもちろん、現在勤務している会社で長くはたらくための自己防衛として基礎的な労働知識は必要です。ソーシャルハートフルユニオンのホームページには、「雇用問題Q&A」でよくある質問について解説しています。また、「相談窓口」には寄せられた相談とユニオンからの回答が誰でも見れるようになっています。
情報は随時更新していますので、ぜひ参考にしてください。

出展元:日本経済新聞・総務省統計局発表