【発達障害の職員に不適切対応 兵庫労働局5人処分】

2016年10月14日
神戸新聞

兵庫労働局に昨年度採用された発達障害のある女性非常勤職員の勤務に対して、不適切な対応があったとして、厚生労働省が労働局の前局長ら5人を処分していたことが13日、同労働局への取材で分かった。
同労働局によると、女性は、障害者を対象にした国の制度で昨年6月、非常勤職員として労働局に採用されたが、契約満了を迎える前に約半年で退職。

厚労省は「女性の障害を詳しく把握せず、障害の特性に応じた対応をとらなかった」として前局長らを処分した。厚労省や同労働局は不適切とした対応の詳細を明らかにしていない。

【ご参考】この事件について(Yahoo!ニュース編集部)が特集記事にしています。

ユニオンからコメント

障害者施策の監督官庁である厚生労働省の組織(労働局)で、職場の障害者に対する不適切な対応があったというニュースです。

「障害の特性に応じた対応をとらなかった」具体的な内容として、障害への配慮として申し入れた「ついたての設置、耳栓の使用」を認めなかったこと。職場に女性が障害者であると周知しなかったこと。業務内容や指導方針を迅速・的確に見直さなかったこと。が挙げられています。さらに、ジョブコーチの対応にも問題があったと厚生労働省の調査でも事実と認定されたようです。

ジョブコーチとは、障害者の就労にあたり、障害者が円滑に就労できるように、職場内外の支援環境を整える人をいいます。周囲に理解されにくい発達障害の人がはたらく職場では比較的多く利用されている制度です。

ジョブコーチについては、これまでユニオンにも多数の相談が寄せられています。
「ジョブコーチは常に会社寄りで、こちらの話をちゃんと聞いてくれない」
「職場で、上司とジョブコーチが(本人が近くにいるのに)当事者を侮辱した」
このような相談が多いのが特徴的です。
ジョブコーチには、特別な資格が必要なく、福祉に興味のある人が短期間の講習で養成されているケースが多いことにも原因があるのかもしれません。

はたらく障害者が職場に適切な配慮を求めることはまだまだ難しいのが現実です。
特に精神障害の人の場合、「職場に何から伝えればいいかわからない」、「自分の障害特性をうまく説明できない」と悩む人が多いようです。
ソーシャルハートフルユニオンでは、職場に配慮を求める方法や、障害特性を職場に伝える書面作成のアドバイスも行っています。いつでも気軽に相談してください。

出典元:神戸新聞