【最低賃金が変わります】
2017年10月1日
ソーシャルハートフルユニオン
2017年10月1日(※一部都道府県を除く)から、新しい最低賃金が発効しました。はたらく人が、自らの時給を知ることも大切です。最低賃金については、厚生労働省のホームページで確認できます。
【ご参考】【必ずチェック 最低賃金 使用者も、労働者も。】厚生労働省
最低賃金制度とは、「使用者は、最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」というルールで、最低賃金法という法律で決められています。もし、最低賃金以下の給料ではたらくとお互いが約束していても、法律によって無効とされます。どのような仕事であっても、誰も最低賃金以下ではたらくことが出来ないということです。
会社が最低賃金以上の賃金を支払わない場合、最低賃金法の第4条に違反します(50万円以下の罰金)。さらに、「賃金は労働者に全額を支払わなければならない」という労働基準法の第24条にも違反していることになります(30万円以下の罰金)。
最低賃金法は、すべての労働者とその使用者(会社)に適用される法律です。パート・アルバイト・臨時・嘱託などの雇用形態や呼び方に関わらず、すべての労働者に適用され、どのような業種・業態に関わらず、すべての会社に適用されます。
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。実際に支払われる給料から、残業手当・精皆勤手当・通勤手当などを差し引いた金額のことで、通常は給与明細に(基本給)として書かれている金額です。その金額を勤務時間(はたらいた時間)で割った金額が1時間あたりの給料(時給)で、その金額が(自分がはたらいている都道府県が決めた)最低賃金を上回っていなければいけません。
【最低賃金の減額の特例】は、「正式な手続きをすれば、最低賃金を下回る給料で人を雇えるケースがある」特別ルールです。最低賃金法は、「一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として」個別に最低賃金の減額を特例として認めています。この「一般の労働者より著しく労働能力が低い」とされる対象に、(精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い人)という規定があります。
この一文から、「障害者には最低賃金を払わなくてもいい」と誤った解釈をしている経営者がいるようです。また、「自分は一人前の仕事が出来ないのだから仕方ない」と間違った思い込みをしている障害者も少なくありません。
仮に、障害者を雇う会社が、最低賃金以下の給料を支払おうとする場合、「所轄の労働基準監督署長を経由して、都道府県労働局長に書類を提出して許可を得る」必要があります。つまり、必要書類を出して許可をもらう必要があるということです。
提出する書類には、「許可申請を受ける人と同程度の勤務年数の健常者である労働者との能力を比較した表」というものがあります。これは、「同じ業務を行った場合、どれくらい能力が違うのかを全ての業務について職場の健常者と比較した内容を記載した書面」ですから、実際に仕事のスピードや出来栄えを職場の誰かと比べた事実がなければいけません。
そして、「最低賃金から減額されても、勤務することに同意する書面」が必要です。これは、最低賃金以下ではたらくことに納得したと、本人と保護者(後見人等)が連名で署名していなければいけません。つまり、会社が勝手に最低賃金以下の給料を払うことは出来ないのです。
自分の給料が最低賃金より下回っている場合、会社に差額を支払うよう伝えることがスタートです。正式な手続きをしていないのに、「会社の経営が厳しいからもう少し我慢して」は通用しません。「人並みに働けないのに文句を言うな。辞めてもらって結構」なら、悪質な違法行為を繰り返している会社と言わざるを得ません。
この場合、ソーシャルハートフルユニオンで対処することは出来ますが、「いきなりユニオンに入ったら、会社に居づらくなるのでは?」と心配する人もいるでしょう。ユニオンに加入せず、個人で解決を目指す方法としては、労働基準監督署に助けを求める手段が現実的です。最低賃金を下回っていることが証明できるように、給与明細やタイムカードを揃えて相談に出向き、最低賃金法を守るよう労基署から指導してもらうことになります。
労基署の指導に会社が応じない場合には、労働紛争として扱われます。労働に関する紛争を簡易・迅速に解決するための仕組として、「個別労働紛争解決システム」が用意されています。これは、各労働局が無料で紛争の解決援助サービスを行うもので、相談コーナーでの情報提供・相談、都道府県労働局長による助言・指導、紛争調整委員会による斡旋(あっせん)などがあります。詳しくは厚生労働省のホームページを参考にしてください。
【ご参考】「職場のトラブル解決サポートします」厚生労働省(PDF:KB)
出典元:厚生労働省