【睡眠薬依存 注意の改訂指示 厚労省】

2017年3月22日
朝日新聞

睡眠薬や抗不安薬、抗てんかん薬として処方される「ベンゾジアゼピン(BZ)系」という薬などについて、規定量でも薬物依存に陥る恐れがあるので長期使用を避けることなどを明記するよう、厚生労働省は21日、日本製薬団体連合会などに対し、使用上の注意の改訂を指示し、医療関係者らに注意を呼びかけた。

対象はエチゾラムやアルプラゾラムなど44種類の薬。BZ系薬は短期の使用では高い効果を得られるが、薬をやめられない依存性や、やめたときに不安、不眠などの離脱症状が生じることがあるとされる。日本では広く使われているが、欧米では処方が控えられ、長期的な使用も制限されている。

厚労省は、「承認用量の範囲内でも、薬物依存が生じる。漫然とした継続投与による長期使用を避けること」「投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと」などと使用上の注意に明記することを求めている。

ユニオンからコメント

44種類の睡眠薬や抗不安薬について、規定量でも薬物依存の恐れがあると厚生労働省が注意を呼びかけたというニュースです。

厚生労働省によると、うつ病・不眠症の患者に処方される睡眠薬や抗不安薬のいくつかは、医師に決められた範囲の服用でも、長期間・継続的に服用していると薬物依存の副作用が生じる可能性があるとしています。すでに、副作用の報告が1000件以上寄せらていることも公表しました。

【ご参考】【催眠鎮静薬、抗不安薬及び抗てんかん薬の「使用上の注意」改訂の周知について】独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PDF:464KB)

厚生労働省の通知に書かれている「漫然とした継続投与による長期使用」とは、何年間も薬を飲むことがクセや習慣のようになっている状態のことです。少しでも思い当たる人は、医師に「(薬の注意が改訂されたが)減薬の必要性はないか」と相談してみるべきでしょう。

また、医師との会話で不安を感じたとしても、自分の判断で薬を止めてしまうことは避けなければいけません。常用していた人が、急に飲むのを止めると、離脱症状として(不安・けいれん・幻覚・妄想・錯乱・抑うつ症状)が起こる可能性があるからです。

納得いくまで主治医に聞いたり、セカンドオピニオンを考えたりしながら、自分の健康状態に関心を持たなければいけません。不眠・うつ病に苦しんで治療を受けて服薬していたのに、薬物依存の副作用にまで苦しんでしまわないよう注意が必要です。

通知に記された医薬品名を見て「ピンとこない」人も少なくないと思います。しかし、その成分を含む「製品名」は、精神科に通院している人には「なじみのある薬」もありますので特に注意が必要です。以下は、注意を呼びかけている薬の主な「製品名」です。

(デパス・ソラナックス・メイラックス・アモバン・マイスリー・ハルシオン・ベンザリン・サイレース・レキソタン・レンドルミン・ワイパックスなど)

出典元:発表朝日新聞・独立行政法人医薬品医療機器総合機構