【障害者の雇用数、最多49.5万人 精神障害者、伸び目立つ】

2017年12月13日
朝日新聞

厚生労働省は12日、企業で働く障害者の人数が6月1日時点で過去最多の49万5795人になったと発表した。1年前より4.5%増えて、14年連続で過去最多を更新した。来年4月に雇用が義務化される精神障害者の伸びが目立った。雇用率は同0.05ポイント増の1.97%で、こちらも6年連続で過去最高を更新した。

従業員のうち一定割合以上の障害者を雇用することを事業主に義務づける法定雇用率は、来年4月に現在の2.0%から2.2%に引き上げられる。厚労省は「法定雇用率の引き上げを見据え、企業が障害者の雇用を増やしている」と分析する。従業員50人以上の企業9万1024社を対象に集計し、2017年の障害者雇用状況としてまとめた。

ユニオンからコメント

厚生労働省が障害者雇用の状況を集計して結果を公表したというニュースです。

【ご参考】【平成29年 障害者雇用状況の集計結果】厚生労働省(PDF:4.17MB)

14年連続で増加している障害者雇用数ですが、雇用義務が課されている会社のおよそ半数では法定雇用率が達成できませんでした。特に、従業員1000人以上の企業では、62.0%が雇用率未達成になっています。このような状況から、2018年4月1日以降の障害者雇用率2.2%に対応すべく、今後障害者の求人が増加することが考えられます。

募集や求人では、2018年1月1日から一部ルールの変更があります。求人トラブル(求人詐欺・偽装求人)への対策として2017年3月に職業安定法が改正され、募集・求人時の労働条件の明示項目に(試用期間・固定残業代・裁量労働制・募集者の名称)が加わりました。来年以降、求人に応募する方は、下記サイトを参考にしてください。

【ご参考】【~求人票・募集要項等のチェックポイント~】厚生労働省(PDF:464KB)

新たに明示義務となった固定残業代をめぐるトラブルは少なくありません。区分けがあいまいになってしまい、部分的に未払が発生しているケースも珍しくありません。支払われなかった残業代は、請求できる期間が定められています。その期間が、これまでの時効2年から時効5年へと延長される議論が始まりました。実現すれば、労働者にとって心強い法改正になります。

【未払い賃金請求、最長5年に】

厚生労働省は働き手が企業に対し、未払い賃金の支払いを請求できる期間を延長する方針だ。労働基準法は過去2年にさかのぼって請求できるとしているが、最長5年を軸に調整する。サービス残業を減らし、長時間労働の抑制につなげる狙いだが、企業の負担を増やす面もある。厚労省は年内に民法や労働法の学識経験者らによる検討会を設置。そこでの議論を踏まえ、来年夏をメドに労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で労使を交えた具体的な時効の議論を進める。法改正が必要となれば、2019年に法案を国会に提出し、20年にも施行することにしている。
労働者に賃金を払わず、残業をさせている企業は少なくない。望ましくない労働慣行といえるが、働き手も評価への影響を恐れ断りきれない面がある。暗黙のサービス残業が未払い賃金の発生につながっている。連合総研の調査では、今年9月に残業した人の31.5%がサービス残業があると答えた。厚労省は働きやすい環境づくりを進めるうえで、未払い賃金の請求期間延長は必要とみる。(2017年11月19日 日本経済新聞)

出典元:朝日新聞・厚生労働省・日本経済新聞