【7月24日にテレワーク国民運動プロジェクト 「テレワーク・デイ」を実施します】

2017年4月18日
総務省
厚生労働省
経済産業省
国土交通省

総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省は、内閣官房、内閣府、東京都、経済団体と連携し、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機として、テレワークを活用した「働き方改革」の運動を展開します。

その一環として、2017年は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開会日となる7月24日を「テレワーク・デイ」とします。

【テレワーク・デイ】

東京大会の開催期間、首都圏では平時に増して交通の混雑が予想されます。そこで、2020年の東京大会の開催期間に首都圏の企業がテレワークを活用することで、交通混雑の解消につながるよう、東京大会の開会式に相当する7月24日を「テレワーク・デイ」と位置づけて、多くの企業・団体にテレワークの一斉実施を呼び掛けます。これによって、2020年の東京大会の期間中におけるテレワーク実施の予行演習となることを目指します。

【実施内容】

7月24日は、テレワークが可能な企業において、朝の通勤電車や自動車等を極力利用せず、少なくとも始業~10時30分まで、テレワークの一斉実施をしていただきます。
テレワークの形態は、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務のいずれかを、業務実態に合わせて採用してください。これからテレワークの体制を整えていく企業においては、可能な範囲でテレワークのトライアルをしてください。

ユニオンからコメント

2020年に東京オリンピックの開幕式が行われる7月24日を今年から、職場に出勤せず自宅などで働く「テレワーク・デイ」としたというニュースです。

国民運動と位置づけ、政府主導で国民の多くに参加を求めている社会的な運動です。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの期間中に予想される、鉄道や道路などの混雑を緩和するための取り組みで、2012年ロンドンオリンピック・パラリンピックでは、市内にある企業の8割が協力して高い効果があったそうです。

【ご参考】【2020年に向けたテレワーク国民運動プロジェクト(テレワーク・デイ)】厚生労働省(PDF:208KB)

各省庁がホームページで【テレワークは、国民一人一人のライフステージに応じて生活スタイルに合った働き方を実現できる「働き方改革」の切り札です。2020 年のレガシーの一つとしてこうした働き方を定着させることを目指すものです】と、参加企業を募集しています。「職場意識改善助成金」として、「テレワークに取り組む中小企業事業主を支援するため(1企業当たり最大150万円)の助成金制度」を新設したほどの力の入れようです。

【ご参考】【7月24日に「テレワーク・デイ」を実施します】厚生労働省

【ご参考】【2020年に向けたテレワーク国民運動プロジェクト】総務省

【ご参考】【2020年に向けたテレワーク国民運動プロジェクト】経済産業省

【ご参考】【2020年に向けたテレワーク国民運動プロジェクト】国土交通省

旗振り役の総務省では、アプリケーション(Skype for Business)を導入し、テレワーク勤務者と上司がチャットやテレビ会議でいつでも連絡をとることができる体制を整えました。民間企業がテレワークを導入するという報道も増えています。

【サッポロ、インターバル制度導入へ】

サッポロビールは10日、仕事を終えて次の始業までに一定時間の休息を設ける「インターバル制度」を5月に試験導入、来年4月に本格運用する方針を明らかにした。働き方改革の一環として長時間労働を是正し、生産性の向上につなげる。
オフィス以外で働くテレワーク制度に関しては、月4回までの制限を撤廃する。いずれも5月に試験導入し、9月の本格運用を目指す。(2017年4月11日 産経新聞)

【三井不動産、在宅勤務制度を導入】

三井不動産は6日、働き方改革の取り組み強化の一環として、4月から在宅勤務制度を導入したと発表した。育児や介護により勤務の時間や場所の制約のある社員が対象で、終日もしくは一定時間を自宅または同社が運営する自宅近くの法人向け多拠点型シェアオフィス「WORKSTYLING」で働くことが可能になる。(2017年4月6日 時事通信)

【マンダムが在宅勤務導入 社員537人の約3割】

マンダムは3日、働き方改革の一環として、在宅勤務制度を1日に導入したと発表した。導入する制度は、新入社員以外の正社員のうち、小学生までの子供を持つ社員や妊娠中の社員、障害者手帳を持つ社員などが対象。日用品・化粧品大手では、ユニ・チャームが1月に製造現場を除く国内の全社員を対象にした在宅勤務制度を導入したばかり。ロート製薬も導入を検討中だ。(2017年4月3日 産経新聞)

総務省が平成28年7月22日に公表した「平成27年通信利用動向調査」によると、テレワークを導入している企業の割合は、平成25年9.3%・平成26年11.5%・平成27年16.2%と、ここ数年で急増しています。

【ご参考】【平成 27 年通信利用動向調査の結果(概要)】総務省(PDF:544KB)

テレワークの導入状況については、「資本金50億円以上の企業の割合が4割」ですから、今のところ大企業が導入している制度といえそうです。テレワークの効果について、「非常に効果はあった」「ある程度効果はあった」と回答した企業が(82.5%)ですから、導入した企業のほとんどが効果を認めています。

テレワークは、会社にとって「介護など家庭の事情による人材の離職を防げる」「障害者、高齢者、育児中の女性などが働きやすい」ことがメリットですが、「労働時間の管理や評価が難しい」「情報漏洩の心配」がデメリットになります。

はたらく側は、「通勤や移動の時間を減らせる」「育児・子育て、介護の時間を増やせる」メリットがありますが、「勤務時間があいまいになる」「公私の線引きが難しい」などがデメリットとして挙げられます。

また、テレワーク・在宅勤務といえども、長時間仕事をし過ぎてしまえば、(長時間労働による過労)を引き起こしてしまいます。テレワークでの過労死等を防ぐには、(始業・終業時にメールで報告させる)など長時間労働や深夜労働にならないよう、会社がテレワーク・在宅勤務者の労働時間や健康を把握する必要があります。

在宅勤務する人が、オフィス勤務の人よりストレスが高くなる「テレワークの弊害」について、ユニオンでも紹介しています。

【ご参考】【働き方どこまで変わる 実行計画決定】

テレワークを導入している会社では、テレワーク利用要件として「自己管理ができる人」と規定しているケースがあります。また、オフィス外勤務でのストレスは、感じ方や耐性は人それぞれです。つまり、「生活スタイルに合った働き方を実現できる」テレワークは、人によって向き不向きがあるということです。

「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた国民運動」を展開して、交通渋滞を緩和させる「働き方改革の切り札」には、まだまだ多くの課題が残っています。既に導入している多くの企業から成功例・失敗例をヒアリングし、テレワーク選択の機会・勤務適性の見分け方・会社側と従業員側の長所短所を抽出して、熟慮を重ねた議論がされなければ「2020年のレガシーの一つ」にはなり得ません。

出典元:総務省・厚生労働省・経済産業省・国土交通省・産経新聞・時事通信